私はチャコ。アーチャー。
私の居た村が破壊し尽くされ、森の中をさまよっている。


巨大化したバーバリアンのリアンによって、自分の村を潰されチーフも殺られた。

あのリアンに見つかってはいけない。見つかったら終わる。
自分の五感を研ぎ澄ませて周囲を警戒する。
夜の森は夜行性の動物がウロウロしていて危険だ。
更にあの巨大化したリアンが追いかけてきている。
逃げなければ。


極力夜の森での戦いは避けなければならない。
光がないので真っ暗だ。松明を持ってくるのを忘れてしまった。


少しすると後ろの方からドシンドシンと足音がする。
もうそこまで来ている!?

「ウォアアアアアアア!!!!」

耳が痛い。鼓膜が破れそうだ。
全力で走り抜ける。リアンが追いかけてくる。

走っていると夜行性の動物らしき声が聞こえてきた。
その瞬間何かに飛びつかれた。
ああ、くそう。ここでやられてしまうのか…


陽が温かい。
死んではいなかったようだ。
何かに飛びつかれたかと思ったが、ただ木にぶつかってしまっただけだった。
ドジを踏むのは初めてだ。

気絶していた間、リアンが暴れていたのかそこら中の木が倒れている。
リアンはどこへ行ったのだろう。

とりあえず身体を休められる場所を探そう。
そこでどうするか考えないと。

森の奥へ奥へと進んでゆく。
明るい内は凶暴な動物がいないから安心だ。夜になる前に探さないと。

それ以外にも水と食料も探さなければ。夜から何も食べてない。


何時間歩いただろうか。喉が乾いてお腹が空いてきた所に湧き水を見つけた。
ゴクゴクと飲む。美味しい。

この近くで休もう。
ちょうど手頃な木の棒があってちょっとした家なら作れそうだ。
とりあえず作る前に食料だ。

周りを見渡す。
小さい動物が居る。

矢は…3本。
村から離れる時に慌てて少ししか矢が入ってない矢筒を持ってきてしまったみたいだ。
距離は…120mほど。余裕だ。

木に登り、見えやすいように距離を確保する。
そして…仕留めるッ!!


矢は小さな動物の頭を貫いた。バタリと動物は倒れる。

よし。上出来だ。

火を起こし、肉を焼く。



これでしばらくは何とかなる。
水も食料もよし。
後は家だけ。

空を見る。太陽は真上にあった。まだ昼か。夜になる前にできそうだ。

リアンが倒した木を使って家を作る。
兵舎のような建物なら大工じゃなくても今日中には作れるだろう。



よし。
1人で住むには丁度いい家だ。
日が暮れている。
火に薪をくべる。

葉っぱで作ったベッドで寝る。