村を壊されて数週間。この生活に慣れてきた。
木の枝がいくつもあるから矢に困らない。

一度村に戻ってみようと考えた。
しばらくリアンの足音や声すら聞いていない。おそらくこの近くにはリアンは居ないから大丈夫だろう。

と言っても、村へ行く道標が全くないので困り果てていたが、その問題もすぐに解決した。

リアンが追いかけてきた時の痕跡がまだ残っている。
これを頼りにして村へ行ってみよう。


あった。
チーフマルクの村が。
修復されていない村が。

金庫やエリクサータンクはすっからかんになっていた。多分ゴブリン達に盗られたのだろう。
壊れたエリクサーポンプからエリクサーがドボドボと流れ出ている。

人気の感じられない村だ。


私が住んでいた兵舎の残骸を漁る。
見つけた。私の矢筒。中には矢が100本ある。エリクサーを使う特殊な矢で、弓に構えると火がつく。

これと…呪文工場にあるビンを何本か持って行こう。
最後にタウンホールに行く。
チーフの姿は…なかった。

タウンホールの残骸の中からちらっと見えたライトニングの呪文が使えるビンを見つけた。これも持って行こう。

自分の作った家に帰ろうと後ろを振り向くとそこにはリアンがいた。

なぜここにいるの…!?

リアンは私を見つけた瞬間、凄いスピードで走ってきた。
逃げながら矢を放つ。走りながらだとなかなか当たらない。矢の無駄だ。やめよう。
逃げることに専念する。これでも私はゴブリン程ではないが足は速い方だ。

よし、ここからなら。
一発で倒すことができないけど…足を狙えば!
矢を放つ。

命中した。が、動きは鈍らなかった。
誤算だった。でかくなっただけじゃなかった。

私を掴んでくる。

身動きが取れない。
このままでは握り潰されてしまう。
くっ…そ…
リアンの手を片手に持っていた矢で刺す。
リアンの力が緩む。

刺した所から流れ出る黒い液体。
エリクサーじゃない…?


もしかして、ダークエリクサー?
これを飲むと凶暴化してしまう…と聞いたけど、それをリアンが…?

迷ってる暇はない。
リアンから流れ出る黒い液体を飲む。


身体が熱い。まるで火炙りにされてるかのような熱さだ。

私もダークエリクサーに手を出してしまった。
身体が大きくなってくる。

待ってて。
すぐに、楽にしてあげる。

あなたの為に…



あなたの為に、私も強くなる。